奈良国立博物館『第74回正倉院展』に行きました
毎年11月が近づくと、奈良国立博物館博物館(奈良博)の『正倉院展』に行きたくなります。
今年(2022年)も無事に行ってきたので、その記録をシェアします。
正倉院展に毎年行きたい理由
毎年『正倉院展』に行くの、大変でしょう?
▶️ええ、東京から奈良なので毎年泊まりがけで行っています。
それでも行きたい理由は次の2つ。
- 会期が年に1度、10月末から11月上旬の2週間だけ
- 一度出陳されたものはしばらく出陳されない(大体10年以上間が空く)
会期が短いのは、正倉院の勅封が解かれて出し入れが可能になるのが、毎年最も気候が安定する秋だけだから。
再出陳まで10年以上のインターバルが置かれるのも、保存のため。
奈良時代の正倉院に残されたものとの一期一会の出会いが、『正倉院展』の魅力です。
基本情報
今年の基本情報は以下のとおり。
特別展名 :第74回正倉院展
会場 :奈良国立博物館 (近鉄奈良駅から徒歩15分ほど)
会期 :令和4年10月29日(土)〜令和4年11月14日(月) 会期中無休
時間 :午前9時〜午後6時、金・土・日・祝日は午後8時まで
チケット :一般券 2,000円、 高大生券 1,500円、 小中生券 500円
※当日券なし 事前に日時指定券を購入する
撮影の可否:撮影はできません。
ミュージアムショップで図録を販売しています。
公式サイトはこちら
チケット購入方法
正倉院展のチケットは当日券がなく、日時指定で事前に購入します。
購入方法はこちら. に詳細がありますが、以下の3通りです。
① ローソン・ミニストップの店内端末(Loppi)から予約
② 「ローソンチケット」サイトから事前に日時指定・予約
指定期間内にローソン・ミニストップ店舗で発券・引き取り
③「ローソンチケット正倉院特設電話番号(自動)」に電話
電話番号:0570-000-028
その後ローソン・ミニストップ店舗で発券・引き取り
▶️ ②が便利です。ウェブで事前に空きのある日時を確認・枠を確保しておくのがスムーズでしょう。
展示を見て
印象に残った展示
「漆背金銀平脱八角鏡」に感心しました。
画像転載はできないのですが、今年のポスターや公式サイトトップに使われている宝物です。
漆・金・銀で繊細な模様を表現する高い技術で作られた鏡です。
鎌倉時代に盗難に遭い、破壊されていたところ、細かな破片の状態でその後も保存され続け、明治27年(1894年)に現在の形にまで修復されています。破片が散逸した二箇所については、明治の修理で補われています。
後世に手を加えられつつ伝来した、という点では、正倉院文書のコーナーも必見です。
飛鳥・奈良時代の行政文書を多く含む正倉院文書は、江戸時代の史料整理で現在の巻物の形に仕立てられています。
今回の展示では巻物を長く広げていたことで、貼り合わせられた文書間の接続がこれで良いかよく観察できました。
正倉院文書の展示は一見地味ですが、飛鳥・奈良時代を支えた行政官たちの息遣いが伝わってくるようで、毎年飽きません。
特徴:技術の解説がわかりやすい
『正倉院展』の展示方法は、技術の解説のわかりやすさが際立っています。
出陳品の中で特筆すべき技法について、模式図を使った解説用パネルがあります。
年によっては技法を使って実際に製作する様子を動画で流すこともあります。
これにより、正倉院宝物の高度な技術に裏打ちされた製作過程も理解することができます。
『正倉院展』の内容は、決して簡単なものではありません。
それにも関わらず魅力的に映るのは、「正倉院宝物自体の質の高さ」「奈良時代の人々の生活を生々しく伝える迫力」と「正倉院宝物をその後1300年間保存・修復し続けてきた人々の意志」のなせる業なのだと思うところです。
『正倉院展』が楽しみな理由
『正倉院展』を楽しみにする理由、展示内容の他にもいろいろ思い当たります。
他の来場者の方の熱気!
『正倉院展』の会場は毎年、なかなか混み合っています。
感染症対策で2020年から事前予約制となりましたが、朝9時前の行列はこの通り。
行列は角を曲がり、博物館前の池と並行して建物入り口まで伸びていきます。
来場者の顔ぶれは小中学生から、専門家風のグループまで様々。
皆さん熱心に展示を見たり、意見を交わしたりと、活気のある会場です。
会場に足を運ぶと、『正倉院展』のファンからも大いに刺激を受けることができます。
ミュージアムショップの限定グッズをチェック
『正倉院展』のグッズは例年気合十分のラインナップです。
美しい正倉院宝物にちなんだグッズ、普段から奈良博のミュージアムショップに揃っています。
でも『正倉院展』の会期中は、特設ショップ『天平』が開設されたり、会期中しか買えないグッズが販売されたりします。
どんなグッズがあるか、『正倉院展』公式サイトでもチェックができます。
一部商品は奈良国立博物館オンラインショップでも購入できます。
おすすめグッズを1つ教えて!
…やはり、図録です。
毎年の展示について、綺麗な写真と詳細な解説が収録されています。
家に帰ってからも、いつでも『正倉院展』を楽しむことができますね。
価格は1,300円です。
おわりに
来年も出陳される正倉院宝物との一期一会の出会いを求めて、来年の『正倉院展』も楽しみにしています。
今年出会った正倉院宝物とも、またどこかで出会えることを願って。
(「また来てね👋」 奈良公園の鹿より)
(追記)平城宮跡資料館の『地下の正倉院展』もやってます
『正倉院展』とほぼ同時期に、奈良文化財研究所平城宮跡資料館にて特別展『地下の正倉院展』をやっています。
こちらは平城宮跡で発掘された本物の木簡が展示される、貴重な特別展です。
2館見学したら、奈良時代の本物に触れる1日になりそうですね。
2022年の『地下の正倉院展』訪問レポートを、次の記事にまとめました🔽
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